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[野球コラム]

ここがヘンだよプロ野球 本当に飛ばない統一球
日本プロ野球はどこまで我慢できるか?(2/2)

文=ヘンプロ委員会 写真=共同通信社

安易な「飛ぶボール」の採用だけはやめてくれ!

統一球の導入は、野球の国際化に向けた大きな一歩である。そもそも違うボールを使用する選手たちが同じ土俵で試合をするのはおかしな話なのだ。世界統一のボールを使ってこそ、野球というスポーツが世界的に普及するという意見は正論である。

ただし、メジャーリーグ(MLB)であれ、日本のプロ野球であれ、お客様が見たくなる試合を見せなければプロとして成り立たなくなる。かつてMLBは、観客減少を解消するために「飛ぶボール」を採用した。マーク・マグワイアとサミー・ソーサの年間70本塁打を巡る本塁打争いは、海を超え、日本の野球ファンも興奮したものである。「飛ぶボール」の導入は、ビジネスを再生させるためのMLBの経営判断だった。結果的に、球場に足を運ぶファンが増えたのも事実だ。

今、不安なのは、日本のプロ野球がそのような判断を下す可能性があるかもしれないということである。今回の震災による開幕延期に関しても、特にセ・リーグは二転三転した。今に始まったことでないが、プロ野球は長期的な視野というより、短期的な視野で決断を下してきた組織なのだ。悪かったことを反省し改善するのは当たり前だが、目先のことばかり対応してきたのがプロ野球の歴史である。

果たして今回は、どうジャッジするのか。本塁打は1チームで年間100本くらいがアベレージと腹をくくって、新しい野球のスタイルがファンに浸透するまで我慢することができるか、これは疑問なところである。

その覚悟があるなら、選手たちも日本の野球が変革期に来ていることを意識する必要が出てくるだろう。「飛ばないボール」を飛ばすための技術習得も必要だろうし、今以上の筋力トレーニングが必要になるかもしれない。もしかすると、長打というものを諦めたチームづくりが優先されることになるかもしれない。因果関係は明確ではないが、バファローズの金子千尋やイーグルスの岩隈久志、ライオンズの涌井秀章などが故障離脱したのは統一球が原因かもしれない。そうなると投手も統一球に対応するフォームやトレーニングの再考が必要になってくるだろう。

野球そのものを変える可能性がある統一球の導入を決断したプロ野球界には、ぜひとも、安易な結論を出さないでもらいたいものだ。やがて、統一球に対応するスター選手が必ず現われるはずだから。



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